JAPAN薩摩は
鹿児島の文化や特産品を世界に発信するサイトです





Episode 1
火山と共に生きる街
Episode 1
火山と共に生きる街
桜島の噴煙が空に舞い
鹿児島の時は静かに流れる
桜島は鹿児島の象徴であり、時に荒々しい自然の力を見せつける存在。
地響きを伴って噴火するその姿には、畏れと敬意を抱かずにはいられない。
しかし桜島は多くの恩恵ももたらしている。
桜島大根や小みかんなど、この土地ならではの恵みは全国にも誇れる特産品。
また、豊富な地下熱は温泉を生み出し、人々の心と体を癒してくれる。
桜島と共に生きる鹿児島の人々は、その脅威と恵みの両方を受け入れ、
感謝と覚悟をもって日々を重ねている。
桜島はただの火山ではなく、
人と自然との深い結びつきを象徴する存在である。
桜島の噴煙が空に舞い 鹿児島の時は静かに流れる。
桜島は鹿児島の象徴であり、時に荒々しい自然の力を見せつける存在。
地響きを伴って噴火するその姿には、畏れと敬意を抱かずにはいられない。
しかしその一方で、桜島は多くの恩恵ももたらしている。
桜島大根や小みかんなど、この土地ならではの恵みは全国にも誇れる特産品。
豊富な地下熱は温泉を生み出し 人々の心と体を癒してくれる。
桜島と共に生きる鹿児島の人々は、その脅威と恵みの両方を受け入れ、感謝と覚悟をもって日々を重ねている。
桜島はただの火山ではなく、人と自然との深い結びつきを象徴する存在である。
火山灰アート
Volcanic Sand Art
植村 恭子 (火山灰アーティスト)
降り注ぐ火山灰にネガティブなイメージを持つのは当然なことに思えるが、上村さんは違う。
火山灰アートの始まりは2016年の熊本地震。桜島のビジターセンターで勤務していた植村さんは、復興のための募金を募るために、火山灰で地面に熊本のキャラクターを描くパフォーマンスを行なった。反響の大きさに喜びを感じ、活動を本格化させていく。


使う火山灰は天から降り注いだそのまま。日によって粒の大きさも違うがそれが作品作りに変化を与える。植村さんの手によって火山灰に命が吹き込まれ、次々と形を変える姿は見ている人を笑顔にする。植村さんは火山灰をポジティブなものへと昇華させた。
油絵用のキャンバスに火山灰を固定する接着法を見つけてから、作品作りは加速した。彼女の作品は2025年に鹿児島県の美術展で県知事賞を受賞。さらなる進化を遂げている。



曼荼羅アート
Mandala Art
當山 裕子 (曼荼羅アーティスト)
周りと足並みを合わせるのは得意だが、自分らしさを表現するのが苦手だという日本人はまだまだ多い。曼荼羅アートの講師もされる當山さんは、受講される方たちに「曼荼羅アートぐらい自分の好きなように表現しなさい。」と笑顔でアドバイスする。曼荼羅アートにはこれといったルールはない。基本は放射状のデザインだが、好きな色、好きな規則性で無心でインクを置いていくことで、だんだんと自分らしさが表現できるようになるという。


無心になって描くことは、マインドフルネスにつながると言われる。作品を見る者にとっても、対称性と安定した構図が心を落ち着け、安心感をもたらすと言われている。京都出身の當山さんだが、鹿児島で住むようになってから桜島の造形美や、噴煙の力強さにインスピレーションを感じて作品にすることも多い。
當山さんの作品は最後にスワロフスキーを散りばめて完成する。その時に感じた心の輝きが、大小様々な曼荼羅アートで表現されている。


Episode 2
古来より伝わる究極の織物
Episode 2
古来より伝わる究極の織物
はるか昔、大陸より伝わった織物の技術は、日本で独自の発展を遂げた。
様々な生地が生まれたが、大島紬は一線を画す。
大島紬は、鹿児島県奄美大島を発祥とする、日本を代表する高級絹織物。
その歴史は約1300年前に遡り、江戸時代には薩摩藩の献上品として重宝された。
特徴は「絣(かすり)」と呼ばれる緻密な模様だ。
一本一本の糸に文様を作るために、一度綿糸を織り込み、染料が染み込まないようにする。ほどいてまた糸の状態に戻し、模様が施された縦糸横糸を点で合わせ2度目の織りを行う。
30を超えるその工程は全て分業。どこかの工程で失敗すれば最上級の反物にはなることはない。
工程の一つである「泥染め」は、鉄分と植物染料が反応して独特の黒褐色を生み出す。
自然が生み出した深みのある色である。
ひとつの反物を仕上げるのに半年以上かかることもある。
気の遠くなるような手作業と計算された美が融合した、大島紬はまさに“織の芸術”である。
はるか昔、大陸より伝わった織物の技術は、日本で独自の発展を遂げた。様々な生地が生まれたが、大島紬は一線を画す。
大島紬は鹿児島県奄美大島を発祥とする、日本を代表する高級絹織物。
その歴史は約1300年前に遡り、江戸時代には薩摩藩の献上品として重宝された。
特徴は「絣(かすり)」と呼ばれる緻密な模様。
一本一本の糸に文様を染め分けるために「締機(しめばた)」で最初の織りを行う。織った生地を「泥染め」した後、ほどいてまた糸の状態に戻し、模様が施された縦糸横糸を点で合わせ2度目の織りを行う。
30を超えるその工程は全て分業。どこかの工程で失敗すれば最上級の反物にはなることはない。
工程の一つである「泥染め」は、鉄分と植物染料が反応して独特の黒褐色を生み出す。
自然が生み出した深みのある色である。
ひとつの反物を仕上げるのに半年以上かかることもある。
気の遠くなるような手作業と計算された美が融合した、大島紬はまさに“織の芸術”である。

大島紬
Oshima Tsumugi
大瀬商店
鹿児島市で1930年から本場大島紬の製造を行う大瀬商店。現在でも伝統的な工法を守り、工場では職人さんが昔と変わらない製法で1点1点反物を織り上げていく。
1点のズレも許されないという緊張感のもと浮かび上がったその絵柄は、職人さんのモノづくりに対する情熱と静かで穏やかな心を映し出したものに他ならない。


鹿児島市内の店舗「PONGEE」では、国内外の多くの方に本場大島紬の魅力を伝えるため、着物だけでなく生活の様々にシーンで使える雑貨やインテリアを提案している。財布やネクタイなど親和性の高い布製品をはじめ、照明カバーやアートボードなど生地の芸術性を活かした製品も必見。
明るい店内と丁寧な接客は、敷居の高い大島紬をより身近なものに感じさせてくれる癒しの空間である。



泥染め
Mud dyeing
肥後染色
美しい海に囲まれた鹿児島県の奄美大島。肥後染色は1973年龍郷町戸口で肥後兄弟によって創業された。泥染め一本に絞り込んだ妥協のないその技術は、数々のコンテストで受賞を受ける。
車輪梅(テーチ木)のチップを煮出し発酵して得たタンニンと、奄美大島の泥田の鉄分が黒褐色を生む。だが簡単ではない。600キロのチップを16時間煮出す。発酵は10日。泥黒を得るまでテーチ木染めと泥染めを80回以上も繰り返す。しかも色と糸の状態を確認しながらの手揉みだ。


着物文化の減衰は泥染めの危機でもある。奄美の自然が作り出したこの技術とこだわりの発色を、次世代に伝えたい。肥後染色の職人である山本さんは、泥染めをモチーフとした衣類ブランドを立ち上げた。攻めと守りの企業風土は、新たな海風となって世界に広がるだろう。



リメイク着物
remake of a kimono
綺綸堂
本物の着物生地から作られた、世界に一つだけのシャツ。日本の伝統と現代のセンスを融合した特別な1枚を生み出す。しかも使用する着物生地は、古いものでは100年近いものまで。
アンティーク着物は100%天然素材であるものが多く、その生地を見るだけでも当時の手仕事による染めや織りの技術を楽しむこともできる。
今まで代々受け継がれた着物に新たな命を吹き込み、現代に生き返らせる細かい技は必見の価値あり。




Episode 3
蘇った輝き
Episode 3
蘇った輝き
薩摩切子は、19世紀初頭、薩摩藩の島津斉興・斉彬によって育まれた伝統工芸。
色ガラスに繊細なカットを施したその美しさは、「ぼかし」と呼ばれる独特の技法で世界に誇る輝きを放つ。
明治初期に一度途絶え、長く幻の工芸とされた。
昭和末期から地元職人たちの情熱により研究・復元が進められたが、現存する資料も少なく、わずかに残された現物や文献、海外に流出した作品をもとに、手探りで技法の再現に挑む。
専用の道具や機械も失われていたため、それらも一から作り直さねばならず、多くの時間と資金が必要であったが、それでも職人たちは諦めず、10年以上の歳月をかけてようやく復元に成功。
その情熱と粘り強さこそ、薩摩切子の輝きを支える真の力と言える。
現在では、手仕事ならではの温もりと透明感が人々を魅了し、贈答品やインテリアとしても高い評価を得ている。
薩摩切子は、19世紀初頭、薩摩藩の島津斉興・斉彬によって育まれた伝統工芸。
色ガラスに繊細なカットを施したその美しさは、「ぼかし」と呼ばれる独特の技法で世界に誇る輝きを放つ。
明治初期に一度途絶え、長く幻の工芸とされた。
昭和末期から地元職人たちの情熱により研究・復元が進められたが、現存する資料も少なく、わずかに残された現物や文献、
海外に流出した作品をもとに、手探りで技法の再現に挑む。
専用の道具や機械も失われていたため、それらも一から作り直さねばならず、多くの時間と資金が必要であったが、それでも職人たちは諦めず、10年以上の歳月をかけてようやく復元に成功。
その情熱と粘り強さこそ、薩摩切子の輝きを支える真の力と言える。
現在では、手仕事ならではの温もりと透明感が人々を魅了し、贈答品やインテリアとしても高い評価を得ている。

薩摩切子
Satsuma Kiriko
ガラス工房 弟子丸
鹿児島県霧島市にあるガラス工房。ガラスを削り磨く音だけが響いており、静けさも共存している印象を受ける。思ったより若い職人も多いのは、薩摩切子への関心の高さの現れか。黙々とガラスを見つめるその眼差しは、製品への思いと切子職人としてのプライドが見え隠れする。


弟子丸氏は薩摩切子復興の一役を担う人物である。薩摩切子を語る彼の目は少年のように輝き、その未来を見据える。
彼が生み出した新たなブランド「霧島切子」は薩摩切子の製法を継承しつつ、自由な発想で新たなデザインや技法を取り入れた、現代的な切子作品として注目される。特に、黒や透明といった難易度の高い色を用いた作品や、伝統的な文様に現代的な要素を加えたデザインが特徴である。伝統をつなぎ、道なき道を歩む足取りはとても力強い。


Episode 4
一杯に込めた日本の心
Episode 4
一杯に込めた日本の心
鹿児島県は、日本一の荒茶生産量を誇る。
温暖な気候と豊かな土壌、そして火山灰によるミネラル分豊富な大地が、香り高く旨みのある茶葉を育て上げる。
鹿児島の緑茶は、渋みが少なくまろやかな味わいで、国内外から高い評価を受け、海外の高級レストランや健康志向の人々にも愛されている。
緑茶は単なる飲み物にとどまらない。日本人の心に根づく「もてなし」の文化や、日々の暮らしに寄り添う癒しの時間を象徴する存在でもある。茶葉を丁寧に淹れ、ゆっくりと味わう所作の中に、自然への感謝と人との絆が宿る。
”茶道”という文化の真髄は”一期一会”
一服の茶をともにする時間を大切にし、主客が互いを思いやり、心を尽くしてその瞬間を味わう。
今、世界が注目するのは、その健康効果とともに、心を落ち着かせる“茶の時間”という文化。
鹿児島の緑茶は、時代を越えて人々の心と体に寄り添い続ける、日本が誇る贈りものである。
鹿児島県は、日本一の荒茶生産量を誇る。
温暖な気候と豊かな土壌、そして火山灰によるミネラル分豊富な大地が、香り高く旨みのある茶葉を育て上げる。
鹿児島の緑茶は、渋みが少なくまろやかな味わいで、国内外から高い評価を受け、海外の高級レストランや健康志向の人々にも愛されている。
緑茶は単なる飲み物にとどまらない。
日本人の心に根づく「もてなし」の文化や、日々の暮らしに寄り添う癒しの時間を象徴する存在でもある。
茶葉を丁寧に淹れ、ゆっくりと味わう所作の中に、自然への感謝と人との絆が宿る。
”茶道”という文化の真髄は”一期一会”
一服の茶をともにする時間を大切にし、主客が互いを思いやり、心を尽くしてその瞬間を味わう。
今、世界が注目するのは、その健康効果とともに、心を落ち着かせる“茶の時間”という文化。
鹿児島の緑茶は、時代を越えて人々の心と体に寄り添い続ける、日本が誇る贈りものである。

日本茶
Japanese tea
末永製茶
鹿児島県は昔から全域でお茶を栽培しており、ついに2024年に静岡県を抜き全国一位の生産量となった。
その味は渋みが少なくまろやかな味わい。日本茶に慣れていない海外の人でも飲みやすい「やさしい味」として人気がある。また、鹿児島は全国トップレベルの有機栽培茶の生産地としても知られている。農薬や化学肥料を極力使わない安全性の高いお茶は、健康志向の強い欧米市場やアジアの富裕層から高く評価されている。


末永製茶は鹿児島県の中間地と言える日置市にある。新鮮な茶葉を蒸し乾燥させ選別する巨大な工場は、微粉でほんのりと緑色に染まっていた。
日置市の寒暖の差が生まれやすい環境により、茶葉の香り成分(アロマ)が豊かになり、香り高いお茶ができることで知られる。水捌けの良い土壌に加え、独自に肥料にこだわることで、荒茶工場として長年に渡って良質の製品を生み出してきた。こだわりの味をぜひ味わってほしい。


Episode 5
日本の宝箱 鹿児島
Episode 5
日本の宝箱 鹿児島
南国の陽光が降りそそぐ鹿児島は、暖かい気候とシラス台地という独特の風土に恵まれた宝の地。
古くから中国や琉球、ヨーロッパとの交易が盛んで、異文化を受け入れてきた歴史が、この地の豊かさを育んできた。
日本一の生産量を誇る「鹿児島茶」
「黒豚」や「黒牛」は、温暖な環境と伝統的な飼育法によって、きめ細やかで深い味わいを誇る。
火山灰土壌で育った「さつまいも」は、焼酎の原料としても有名。
復活した「薩摩切子」も、海外との交流がもたらした感性と技術の結晶。
離島にも目を向けてみよう。
黒潮が流れる南の島々は、温暖な気候と火山島特有の大地により、個性あふれる特産品を育んできた。
奄美大島の「黒糖焼酎」や「大島紬」は、琉球と日本本土、さらには中国との交流の歴史を感じさせる逸品。
徳之島や喜界島では、伝統製法で作られる黒糖。
屋久島では、世界遺産の森から育まれる「屋久島茶」や「たんかん」が訪れる人々を魅了。
種子島の「安納芋」は、濃厚な甘さでスイーツ素材としても注目されている。
鹿児島の特産品は、自然と歴史、人の知恵が織りなす“本物”だ。
今回すべての特産品はご紹介できないが、海を越えて育まれた多様な魅力をぜひご堪能いただきたい。
南国の陽光が降りそそぐ鹿児島は、暖かい気候とシラス台地という独特の風土に恵まれた宝の地。
古くから中国や琉球、ヨーロッパとの交易が盛んで、異文化を受け入れてきた歴史が、この地の豊かさを育んできた。
日本一の生産量を誇る「鹿児島茶」
「黒豚」や「黒牛」は、温暖な環境と伝統的な飼育法によって、きめ細やかで深い味わいを誇る。
火山灰土壌で育った「さつまいも」は、焼酎の原料としても有名。
復活した「薩摩切子」も、海外との交流がもたらした感性と技術の結晶。
離島にも目を向けてみよう。
黒潮が流れる南の島々は、温暖な気候と火山島特有の大地により、個性あふれる特産品を育んできた。
奄美大島の「黒糖焼酎」や「大島紬」は、琉球と日本本土、さらには中国との交流の歴史を感じさせる逸品。
徳之島や喜界島では、伝統製法で作られる黒糖。
屋久島では、世界遺産の森から育まれる「屋久島茶」や「たんかん」が訪れる人々を魅了。
種子島の「安納芋」は、濃厚な甘さでスイーツ素材としても注目されている。
鹿児島の特産品は、自然と歴史、人の知恵が織りなす“本物”だ。
今回すべての特産品はご紹介できないが、海を越えて育まれた多様な魅力をぜひご堪能いただきたい


